飼っているウルフハウンドのことを、英語圏の人は特別な愛情と敬意をこめて"heart hound"と呼ぶことがあります。心の犬、心の友という感じでしょうか。一方、やはり英語圏ではウルフハウンドのことを"heartbreak breed"とも言うそうです。悲しみの犬種、心を痛ませる犬種・・・。寿命が短く、心臓病や骨肉腫、胃捻転など、健康面でもさまざまな問題を抱えていることからついた「あだ名」なのだそうです。こんな悲しいあだ名ってないですよね。

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ブログ「おぉ〜い、陸王!」で沢山の方に親しまれ、応援を受けていた陸王ちゃんが昨日、悲しいことに、春を待たずに逝ってしまいました。骨肉腫と診断されてから1年以上たちますが、残念ながら肺転移のために亡くなりました。昨年3月に断脚をしてからも元気に暮らし、年明けから寝たきりになってしまった後もがんばっていた様子に、心打たれた方も多いのではないでしょうか。陸王ちゃんだけでなく、いつもユーモアたっぷりで、優しくて、くじけそうになったり、落ち込んだり迷ったりしながらも頑張った「父ちゃん」の存在にも。。。

発見と診断の早さ、断脚と抗がん剤治療など的確な治療、もともと陸王ちゃんが持っていた丈夫な体、そして父ちゃんの愛情と介護・・・病気は不運以外何ものでもないけれど、陸ちゃんの最後の1年はいろんな幸運が重なった上にあったと思います。その1年の多くの部分を自分の足で歩いて、沢山の楽しみとともに過ごせたことも、彼女の強運なのかも。数ヶ月で逝ってしまう子も多い病気です・・・。

陸王ちゃんのブログは、陸ちゃんという素敵なウルフハウンドが主役ではあるけれど、図らずも骨肉腫という病気やその治療、超大型犬の寝たきりの介護など、いろんな問題を投げかけてくれて、教えられること考えさせられることもいろいろありました。

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骨肉腫は超大型犬で多く発生し、ウルフハウンドでの発症率は約2割ですが、犬全体での発生率は2〜7%にすぎません。人為的に大きな犬種を作り出したことの代償がこの病気なのだとしたら、せめてこの病気を減らす努力をすることが人間の責任であるように思います。心臓病など、他の遺伝病にも同じことが言えます。そのために飼い主にできることは最善の治療とケア。そして、安易な繁殖はしないということ。一方、繁殖をする人には、血統と病気の情報を収集し、様々な病気について遺伝的リスクを判断するというとても難しいけれど重大な責任があります。

ところで、もっと簡単に、ブリーダー・個人オーナーさんを問わず貢献できることとして、以前からHPで協力をお願いしているアメリカのウルフハウンド・リサーチ・データベースへの情報提供があります。偶然にも昨日、久しぶりにデータベースの運営者から「新しい情報はありませんか」とメールをもらったので、陸ちゃんへの追悼の意もこめて、改めてご協力を呼びかけることにしました。
血統書のコピーと、もしあれば病歴などを簡単に書き添えて送るだけですので、協力していただける方はぜひお願いいたします。詳しいことは↓リンクからどうぞ。

 IW Research Database

いくら血統情報からリスク判断をして繁殖をしても、すぐにいろいろな病気がゼロになるわけではありません。年月をかけて、徐々に減らしていくしかないのです。それでも、できることから、少しずつでも良くしていくしかありません。飼い主の心を痛める"heartbreak houd"が少しでも減って、ひとりでも多くの飼い主さんが"heart hound"とともに長く幸せな時間を過ごせるように。そしていつか、悲しいあだ名を返上するために。


最後に改めて、陸王ちゃんの冥福をお祈りします。

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