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最近面白かった本。ドッグショーや純血種のスタンダードに興味のある人にお薦めです。
Robert W. Cole, An Eye For A Dog. Illustrated Guide To Judging Purebred Dogs (Dogwise Publishing: Wanatchee, USA, 2004).
book cover

 『犬を見る目。純血種の犬を審査するためのイラスト入門』というタイトル通りイラストが豊富、平易で読みやすい英語で、とにかくわかりやすい本です。著者はアメリカ人のブリーダー(ブルテリア、バセンジーが専門犬種)ジャッジ、イラストレーター。つまりこのテーマでものを書くに(描くには)うってつけの人物。タイプ、バランス、プロポーション、骨格構成と動きの関係など、いろんな角度から犬の見方を説明してくれます。取り上げている犬種も様々。ウルフハウンドも出てきますけど、他犬種のことも知らないことが多いので、勉強になりました。

 この本の一番の売りは、なんといっても的確な比較のイラスト。例えば本の表紙のイラストはフォックス・テリアで、体型は「スクエア」が理想、つまり体高と体長が等しい体型です。一見どちらも四角い犬に見えますが、左と右、どちらがより典型的な体型でしょう?左右の犬のイラストは、実は前脚の長さ以外は全て同じに描かれています。実物の写真では、こういう比較はできませんよね。実際の犬は同じ犬種でも千差万別。違う部分が多すぎて、個体の違いがわかりにくいのですが、この本では他の条件は同じで、例えば首の長さだけ、あるいは胴の長さだけが違った絵を並べることで、より理想的なプロポーションを見分けられるように、目を慣らしてくれるのです。早い話、犬を見る目を養うトレーニング本でもあるわけです。(※質問の答えは「左」です。)
 もうひとつ興味深かったのが、犬種の理想とされる犬の姿と、ショーで勝つ犬が必ずしも一致しない点についての説明。ジャッジといえど、どの犬種も深く深く知り尽くしているわけではなく。特に全犬種のショーでは、犬種の理想とはズレているのでは?という犬が勝ち上がることもよくあること。いつも疑問に思っていたこと、例えばサイトハウンドの歩様とか、アンギュレーション過多の後肢の長いサルーキをどう評価すべきかとか、そんなことも答えが書いてあって、なるほど〜と思ったのでした。

 わが家の場合、右も左もわからないままウリとショーを始めたので、ジャッジの評価にも?だらけ。でも数年やってみてわかったこと。ショーを見る時は、ジャッジの評価はもちろん尊重すべきですけど、100%信頼できるものではない。というのがひとつ。でもこちらの勉強不足のせいで、そのジャッジが何をどう評価して順位をつけたのか、わからないこともあるのですね。そういうレベルの人間にとっては、この本はとてもよい入門ガイドです。
 日本ではウルフハウンドをきちんと見れるジャッジが、おそらく皆無(?)だろうことも事実ですが、一方で全犬種をしっかり見れるジャッジは沢山いるはず。彼らの評価の仕方も、それなりの理屈があるわけです。ジャッジの判断にブーブー言う前に、何故こういう評価をしたのか、そのジャッジはどういう点を重視しているか、それに対して自分は何をどう評価するのか、そういうことも考えながらショーを見ると、2倍も3倍も面白いのではと思うこの頃。。。
 ショーの世界は、それはそれとして、とても奥深くて面白い世界。そしてそれはブリーディングへとつながっていくべきもの。さらに深い道へとつながっているわけです。ウルフハウンドという1犬種だけでも勉強することはいくらでもあるのに、全犬種のジャッジはすごいなぁと、つくづく思います(皮肉でなく・笑)

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