本・雑誌 books & mags の記事一覧 
  ショーの楽しみ方  -  2007.06.22.Fri / 20:51 
gaku-ajisai ajisai

最近面白かった本。ドッグショーや純血種のスタンダードに興味のある人にお薦めです。
Robert W. Cole, An Eye For A Dog. Illustrated Guide To Judging Purebred Dogs (Dogwise Publishing: Wanatchee, USA, 2004).
book cover

 『犬を見る目。純血種の犬を審査するためのイラスト入門』というタイトル通りイラストが豊富、平易で読みやすい英語で、とにかくわかりやすい本です。著者はアメリカ人のブリーダー(ブルテリア、バセンジーが専門犬種)ジャッジ、イラストレーター。つまりこのテーマでものを書くに(描くには)うってつけの人物。タイプ、バランス、プロポーション、骨格構成と動きの関係など、いろんな角度から犬の見方を説明してくれます。取り上げている犬種も様々。ウルフハウンドも出てきますけど、他犬種のことも知らないことが多いので、勉強になりました。

 この本の一番の売りは、なんといっても的確な比較のイラスト。例えば本の表紙のイラストはフォックス・テリアで、体型は「スクエア」が理想、つまり体高と体長が等しい体型です。一見どちらも四角い犬に見えますが、左と右、どちらがより典型的な体型でしょう?左右の犬のイラストは、実は前脚の長さ以外は全て同じに描かれています。実物の写真では、こういう比較はできませんよね。実際の犬は同じ犬種でも千差万別。違う部分が多すぎて、個体の違いがわかりにくいのですが、この本では他の条件は同じで、例えば首の長さだけ、あるいは胴の長さだけが違った絵を並べることで、より理想的なプロポーションを見分けられるように、目を慣らしてくれるのです。早い話、犬を見る目を養うトレーニング本でもあるわけです。(※質問の答えは「左」です。)
 もうひとつ興味深かったのが、犬種の理想とされる犬の姿と、ショーで勝つ犬が必ずしも一致しない点についての説明。ジャッジといえど、どの犬種も深く深く知り尽くしているわけではなく。特に全犬種のショーでは、犬種の理想とはズレているのでは?という犬が勝ち上がることもよくあること。いつも疑問に思っていたこと、例えばサイトハウンドの歩様とか、アンギュレーション過多の後肢の長いサルーキをどう評価すべきかとか、そんなことも答えが書いてあって、なるほど〜と思ったのでした。

 わが家の場合、右も左もわからないままウリとショーを始めたので、ジャッジの評価にも?だらけ。でも数年やってみてわかったこと。ショーを見る時は、ジャッジの評価はもちろん尊重すべきですけど、100%信頼できるものではない。というのがひとつ。でもこちらの勉強不足のせいで、そのジャッジが何をどう評価して順位をつけたのか、わからないこともあるのですね。そういうレベルの人間にとっては、この本はとてもよい入門ガイドです。
 日本ではウルフハウンドをきちんと見れるジャッジが、おそらく皆無(?)だろうことも事実ですが、一方で全犬種をしっかり見れるジャッジは沢山いるはず。彼らの評価の仕方も、それなりの理屈があるわけです。ジャッジの判断にブーブー言う前に、何故こういう評価をしたのか、そのジャッジはどういう点を重視しているか、それに対して自分は何をどう評価するのか、そういうことも考えながらショーを見ると、2倍も3倍も面白いのではと思うこの頃。。。
 ショーの世界は、それはそれとして、とても奥深くて面白い世界。そしてそれはブリーディングへとつながっていくべきもの。さらに深い道へとつながっているわけです。ウルフハウンドという1犬種だけでも勉強することはいくらでもあるのに、全犬種のジャッジはすごいなぁと、つくづく思います(皮肉でなく・笑)

ajisai ajisai

  新刊紹介▼・ω・▼  -  2006.03.21.Tue / 11:12 
ウルフハウンド関連書籍のご案内です。

IW World
IW_2006_summer.jpg

新しく創刊された雑誌です。ウルフハウンドの雑誌というと、各国のクラブマガジン、イギリスのIrish Wolfhound Magazine、アメリカのIrish Wolfhound Quarterlyなどがありますが、これはヨーロッパ・ウルフハウンド・クラブ連盟(EIWC)の発行。ヨーロッパ各国のクラブ、ブリーダー、獣医師などが協力して作っていて、読み応えあり。今年1月に創刊号が出て、夏には2号が出る予定です。HP上で簡単に講読申し込みできます。

Healthy Hound Handbook
HealthyHound.gif

こちらはもう一つの国際的IW雑誌、Irish Wolfhound Internationalから出された、ウルフハウンドの健康面を総合的にカバーするハンドブックです。一般オーナー、ブリーダー、獣医師向けに、病気の予防法・治療法、緊急時の対処法、最新の調査研究報告や獣医師からのレポートなど盛りだくさんです。HP上で購入でき、日本からの場合はPayPal決済(クレジットカード決済)が便利です。今後Amazonでも取り扱い予定だそうです。

胃捻転にしてもそうですが、病気の研究はどんどん進歩していきます。一昔前の常識が通用しなくなっていることもしばしば。アメリカやヨーロッパではウルフハウンドのみを対象にした病気の研究もかなり行われています。病気以外では、ブリーダーのインタビューなどもとても面白いし勉強になります。英語でもがんばって読んでやろう!というガッツのある方は、ぜひ講読をご一考あれ。イギリスのIrish Wolfhound Societyの会報などもおススメです♪
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ullibo

Author:ullibo
アイリッシュ・ウルフハウンドの男の子ウリ(5歳)、ティモ(8ヶ月)、2匹の猫ボルケとラムと暮らしています。

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