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Wolfhound Monthly

アイリッシュウルフハウンド雑記帳

ウルフハウンドの避妊去勢について


避妊去勢のメリット、デメリット

避妊去勢手術には、望まない出産を予防する効用のほか、特定の病気の予防というメリットもありますが、他方で特定の病気の発症率が増加するといったデメリットもあります。手術をするかどうかは、避妊去勢が健康に及ぼすメリット、デメリットをよく知ったうえで、個々の犬の性格や飼育環境などもあわせて、飼い主ひとりひとりが考えてほしいと思い、主に病気に関して現時点で知られているメリット、デメリットを以下にまとめました。

手術をしない場合には、望まない子犬の誕生という事態にならないよう、飼い主が飼い犬をきちんと管理する必要があります。手術をする場合には、いつ頃行うかがとても重要です。ウルフハウンドの避妊去勢は成長が終わる2歳前後がよいとされます。詳しくは、下記の「避妊去勢手術のタイミング」をお読みください。

避妊・去勢手術は、絶対しなければならないことでも、絶対してはならないことでもありません。また、大型犬か小型犬か、犬種によってもメリット、デメリットに違いがあります。現在の日本の犬を取り巻く一般的な環境を考えると手術はしたほうがよい(犬も飼い主も楽に暮らせる)のかもしれませんが、獣医師に言われるままにするのではなく、犬の健康を考え、自分と自分の犬の状況にあわせてより良い選択をしてほしいと思います。


■オスの去勢手術

主なメリット
・リスクが低下する病気:良性の前立腺の病気、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫、睾丸腫瘍(ただし犬における睾丸腫瘍の発症率は1%以下と考えられ、比較的稀である)
・他のオス犬への攻撃性など、性ホルモンと関係する問題行動の予防・改善(ただし、それ以外の原因の攻撃性は改善されない。人への攻撃性など、去勢によって問題行動が悪化する場合もあるので注意。)
・ストレスの低減(未避妊のメス犬と同居している、他のオス犬とメス犬を争うなどのケース)。

主なデメリット
・1歳未満で去勢すると骨肉腫のリスクが顕著に増大する。(ロットワイラーのオスでは3.8倍というデータがある)
・股関節形成不全、前十字靭帯損傷など関節の疾患のリスク増大。
・肥満の増加。
・前立腺腫瘍のリスクが4倍に増加。(ただし、元々の発症率が0.6%以下と稀な腫瘍である)
・膀胱移行上皮癌のリスクが2〜4倍に増加。(ただし、元々の発症率が1%以下と稀である)
・早期に去勢した場合、体格の十分な発達がみられずオスらしさが低減する。


アイリッシュ・ウルフハウンドでは、骨肉腫が犬種的に多発しており、死因の約2割を占めています。現状ではほぼ治療困難な病気であることから、早期去勢によってリスクが高まることは十分考慮すべきでしょう。また関節疾患なども同様に犬種的に起こりやすい疾患です。
一方、去勢のメリットのうち、睾丸腫瘍は稀であり、その他のリスクが低下する病気も命に関わるものではなく治療が可能です。他のオス犬への攻撃性が問題となるケースでなければ、病気のリスクの点では手術をするメリットはあまり大きくありません。その他の理由から去勢手術をする場合にも、成長期が終わるまで待つのがよいと言えます。


■メスの避妊手術

主なメリット
・早期に避妊手術をすると、乳腺腫瘍のリスクが大幅に低下する(初回ヒート前でほぼリスクはなくなり、2回目ヒート前でも8割程度リスクは低減されるが、4回目のヒート以降で手術してもリスク低減の効果はないとされる)。
・子宮蓄膿症のリスクはほぼなくなる。(子宮蓄膿症は、メス犬の約2割で発症する一般的な疾患)
・その他のリスクが低下する病気:子宮頸管・卵巣の腫瘍(ただし、これらの腫瘍は元々発症率が0.5%以下と非常に稀である)、肛門周囲腺腫。
・ストレスの低減。(ヒート前後の食欲不振、想像妊娠などがある場合)

主なデメリット
・1歳未満で避妊すると骨肉腫のリスクが顕著に増大する。(ロットワイラーのメスでは3.1倍というデータがある)
・脾臓血管肉腫のリスクが2.2倍、肥満細胞腫のリスクが4.1倍に増大する。
・股関節形成不全、前十字靭帯損傷など関節の疾患のリスク増大。
と・肥満の増加。
・大型犬の約2割程度で、尿失禁が起こる。(小型犬では少ない)
・膀胱移行上皮癌のリスクが2〜4倍に増加。(ただし、元々の発症率が1%以下と稀である)
・ホルモンの変化により、オス的な行動や性格に近づく傾向があるとされる。場合によっては、攻撃性などが手術後に出現することもある。


メスの避妊手術は、どの犬種でも比較的よくみられる乳腺腫瘍(ただし約半数は良性)や、子宮蓄膿症のリスク低下が大きなメリットといえます。これらは高齢になってから発症することも多く、悪化した子宮蓄膿症の手術をする場合には、それだけ生命のリスクも大きくなります。若い時に避妊手術をしていれば、そうしたリスクは最低限に抑えることができます。

しかし、ウルフハウンドの場合、死因の約2割を占める骨肉腫の増大は大きなデメリットです。避妊手術をする場合にも、成長が終わるまで待つのがよいでしょう。乳腺腫瘍に関しては、早期(初回または2度目のヒートの前まで)に避妊手術をしないと予防効果はほとんどなくなりますが、ほぼ完治困難で死に至る骨肉腫と比べれば、治療可能な癌といえます。
また、尿失禁は深刻な健康問題ではありませんが、超大型犬の場合には、日常生活のうえで清潔を保ちにくくなったり、飼い主の負担が増えることになります。尿路感染症が慢性化したり繰り返すことが増えるとも言われています。



避妊去勢手術のタイミング

犬の避妊去勢手術は生後6ヵ月頃に行うことが一般的ですが、アイリッシュ・ウルフハウンドなどの超大型犬では、成長期が終わるのを待ってから行うことが推奨されています。目安としては2歳になってから、またメスでは2回目のヒート以降がよいとされます。

その理由は、大型犬で成長期が終わるのを待たずに避妊去勢手術を行うと、以下のようなリスクが高まることがわかっているからです。

・骨肉腫リスクの増大:オスメスとも1歳までに手術をした場合、骨肉腫の発症リスクが顕著に高まる。骨肉腫はウルフハウンドで最も多くみられる種類の癌で、約2割が骨肉腫を発症するため、さらに発症リスクを高めることは望ましくない。(同じく骨肉腫が好発する犬種のロットワイラーの調査では、1歳未満の避妊去勢によって、骨肉腫発症率がオスで3.8倍、メスで3.1倍に増えることがわかっています)。

・骨格の成長への影響や関節の問題:成長期の避妊去勢手術によってホルモンバランスが崩れることで、成長線(骨端線)閉鎖の時期が遅くなるため、骨が長くなったり、プロポーションの異常が出ることがある。一部の犬種では、前十字靭帯損傷や股関節形成不全のリスクが高まることが知られている。

・リンパ腫、血管肉腫の発症リスクの増大:早期の避妊去勢手術により、発症リスクが高まる癌と、リスクが下がる癌がある。ウルフハウンドの場合、骨肉腫に次いで発症率の高いリンパ腫、血管肉腫は、避妊去勢によってリスクが高まり、とくにメスでは血管肉腫のリスクが顕著に高くなる。また、早期に手術をするほど、癌の発症年齢も若くなる傾向がある。(逆に早期の避妊去勢手術でリスクが下がる疾患には、メスの乳腺腫瘍がある)




[参考文献]

Laura J. Sanborn, M.S."Long-Term Health Risks and Benefits Associated with Spay / Neuter in Dogs" 2007.

John Berg, DVM, DACVS. "The Spay/ Neuter Controversy” Atlantic Coast Veterinary Conference (October 16, 2014).

注記)避妊去勢の長期的な健康への影響については、2007年のサンボーン論文がよく知られています。しかし、この文献については獣医師の間でも賛否が分かれ論争となっています。「避妊・去勢論争」と題された、2014年のアメリカの獣医学会でのジョン・バーグの講演は、2014年現在の研究状況からメリット・デメリットを整理し、そのうえでバーグ博士の避妊去勢手術についての個人的見解をまとめたものです。冒頭でバーグは、避妊去勢は論議を呼ぶ問題で、今後10年、20年でよりよいデータが集まれば、賛否の意見もまた変わっていくだろうと述べています。彼の見解はあくまで現時点でのものにすぎないと断ったうえで、大型犬のオスについてはオス同士の問題がなければ去勢は不要、大型犬のメスについては、乳腺腫瘍予防のために早期(生後半年)の避妊を奨めています。(ただし、ウルフハウンドのように大型犬種のなかでもとくに骨肉腫が多発している犬種では、メスについても早期の避妊手術は避けたほうが無難なのではないでしょうか)

Irish Wolfhound Health Group “Neutering Factsheet" Irish Wolfhound Health Group UK

The 15th Annual Irish Wolfhound Gathering 第15回ウルフハウンド ・オフ会


2日間素晴らしい晴天に恵まれた今年のウルフハウンド ・オフ会。参加いただいた皆様、思い思いに楽しんでいただけたでしょうか。相変わらず要領の悪い幹事で至らぬところも多々ありましたが、皆様のご協力のおかげで無事終了することができました。どうもありがとうございました。

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犬種の平均寿命が6.5〜7歳のウルフハウンド 。オフ会では7歳以上の参加犬をシニア犬ということでお祝いしています。今年はシニアが8頭、そのうち10歳以上の子が3頭。元気な姿をみせてくれました。最長老のジャスミンちゃんは13歳10ヶ月。1歳のときからオフ会に来てくれているオフ会番長も、いまやオフ会の生き神様です(^^) 若い時から大好きだったルアーコーシングに今年も参加。ルアーを追う姿にみなさん感動したのでは。。。老いてもジャスミンのウルフハウンド魂は健在です。

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もうすぐ14歳のジャスミンちゃん、マイペースにオフ会を楽しんでいました



ルアーコーシング・トライアルは、老いも若きも、ウルフハウンド もその他の犬種の犬たちも、40頭近くが走りました。今年は「ベストランナー賞」「新人賞」「コースアウト賞」「二人三脚賞」「その他犬種のベストランナー賞」と5つの賞を設けて、参加者の皆さんに投票してもらいました。


若い子たちも…
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シニアたちも…
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2日目の日曜日は朝食前の散歩から。霜が降りて地面がうっすら白くなっていました。ウルフハウンド には嬉しい気温。キャベツ畑(いまの時期はもうキャベツはありませんが)が広がり、浅間山や四阿屋山などのパノラマビューが見える場所まで、アスプロスから1時間ちょっとお散歩。おしゃべりしながら歩いているとあっという間です。7歳、8歳の子たちも一緒に歩きました。

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朝食後は勉強会。今年のお題は「ウルフハウンド の避妊去勢手術について」。避妊去勢のメリット・デメリットのほか、手術の時期、麻酔・手術時の注意点などもお話しました。避妊去勢というごく普通の手術をするにも、ウルフハウンド特有のことが多くあります。

そのあとはグルーミング講座。プラッキング(毛の抜き方)の説明と実演をしました。

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「僕はあくまでナチュラルスタイルでいくので、プラッキングは遠慮します」ネオくん



そのほか、すっかり毎年恒例になった直輸入IWグッズの販売も、今年も好評で完売御礼となりました。さらにオフ会15回記念ということで、ネオくんのパパさんが素敵なオリジナル・ワッペンを、ジジちゃんのパパさんが同じデザインで格好いいパーカーとサコッシュを作ってくださいました。とてもよい思い出の品になります♪(^^)

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そして、タラも今年もオフ会の週末を120%楽しみました。コーシングも大好き(ベストランナー賞の次点いただきました)、いろんな人に会うのも大好き、ほかのワンコに遊んでもらい、お散歩三昧、朝から晩まで元気いっぱい遊び倒した2日間。おかげで飼い主はヘロヘロですw 遊んでくれたみなさま、ありがとうございました!

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また来年、お会いしましょう!

第15回IWオフ会 オリジナル・ワッペンのお知らせ


常連参加者の方のご厚意により、今年のオフ会はオリジナルのグッズ企画がいくつか。第一弾のお知らせは、ネオパパさん企画製作のワッペンです。10月25日まで、事前注文を受け付けています。今年は参加できないけどワッペン欲しいという方にも、対応していただけるそうです。

* * * ワッペンのご案内 * * *


アイリッシュ・ウルフハウンドのシルエットに、軽井沢のシンボルである浅間山をデザインしたオフ会記念ワッペンです。大きさは直径7cmです。

図案
15thIWオフ会ワッペン(図案)500

色指定図(実物は青色の生地に、金・銀・青系中心の刺繍糸の仕上げです)
15thIWオフ会ワッペン(色指定)



皆様からご注文を頂いた後に発注しますので、1枚から何枚でもご注文頂けます。

オフ会に参加される方には、その際でのお渡しとなります。また、参加されない方には、別途対応させて頂きます。

お値段は発注枚数によって変わりますが、1枚1000円前後になるかと思います。事前にご注文頂いた方には原価でお分け致します。

ご希望の方は、下記の1~4の内容を、次のメールアドレス宛にご連絡下さい。ご連絡の期限は10月25日までとさせて頂きます。

連絡先: オフ会幹事 wolfhoundpeople@gmail.com

必要事項:
 1.お名前
 2.ご連絡先のメールアドレス(又はご希望のご連絡先)
 3.希望枚数
 4.オフ会参加の有無

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このあと第二弾のお知らせもあるかもしれません。第三弾はオフ会当日?いつものように海外直輸入レアグッズもありますので、どうぞお楽しみに♪